| 経営戦略と管理会計の関係性に関する考察 −「戦略的管理会計」論の依拠する戦略概念− |
新江孝・伊藤克容 |
Summary 最近の管理会計研究では,経営戦略と管理会計との関係が重要な問題として扱われている。研究の蓄積によって経営戦略概念自体が多様化している現状では,経営戦略と管理会計との関係はかつて想定されていたほどには単純ではなくなっている。この研究では,経営戦略と管理会計とのきわめて複雑な関係をベースとなる戦略概念という視点からいくつかのカテゴリーに分類・整理し,管理会計の新たな体系を提示することを目的とする。 Key Words @経営戦略と管理会計との関係性 A戦略的管理会計(Strategic Management Accounting, SMA) Bポジショニング・アプローチ Cゲーム・アプローチ D資源アプローチ E学習アプローチ F競合分析 Gツール開発 H運用プロセス | |
| ラインカンパニー制がカンパニー・リーダーの内発的動機づけに及ぼす効果 −住友電工潟Oループにおけるラインカンパニー制の実証的研究− |
渡辺岳夫 |
Summary 住友電工潟Oループにおけるラインカンパニー制の情報特性ならびに運用方法が,カンパニー・リーダーの内発的動機づけに及ぼす効果を実証的に分析した。その結果,情報特性・運用方法が,リーダーに情報的事象として認知されている場合,有能感を媒介して内発的動機づけに正の効果を,それらが制御的事象として認知されている場合,強制感を媒介して内発的動機づけに負の効果を及ぼしていることが明らかにされた。 Key Words @ラインカンパニー制 Aカンパニー・リーダー B内発的動機づけ C影響システム D情報特性 E運用方法 Fシステム特性 G情報的事象 H制御的事象 | |
| ミニ・プロフィットセンターの相互依存関係マネジメントへの役立ち −電子部品メーカーA社のケースを通じて− |
窪田祐一・島吉伸・吉田栄介 |
Summary 近年,厳しい競争環境から,企業は相互依存関係の適切な管理を必要としている。そのなかで,ミニ・プロフィットセンター(MPC)に代表される自律的調整活動を促す仕組みが注目されている。そこで本稿は,経時的ケーススタディを通じて,擬似MPCの相互依存関係マネジメントへの役立ちについて考察した。結論として,擬似MPCは導入経緯において順機能と逆機能の両側面を有することを明示する。 Key words @ミニ・プロフィットセンター A相互依存関係 Bマネジメント・コントロール・システム Cエンパワメント D導入効果 E逆機能 F経時的ケーススタディ | |
| サプライチェーンにおける利益共有の有用性 | 皆川芳輝 |
Summary 本論文は,サプライチェーン全体の合算利益に対しても,各メンバーの取り分に対しても利益共有がプラスの影響を与えることを理論的に明らかにする。さらに,いかなる方法によってサプライチェーン全体の利益を各メンバーに再配分すべきかについて考察する。本研究は,サプライチェーンの供給製品が製品ライフサイクルの成長段階から成熟段階に移行すると,有用な利益共有の方法が異なるという視点に立つ。 Key Words @利益共有 Aサプライチェーン・マネジメント B製品ライフサイクル C取引特殊的投資 Dリードタイム | |
| 日本企業におけるバイヤー・サプライヤー間の協働 | 坂口順也 |
Summary 日本企業におけるバイヤー・サプライヤー間の協働は組織間管理会計の重要な研究課題の一つとして注目されている。しかし,その内容は逸話的なものが多く,わが国での実態は十分に明らかにされていない。そこで本研究では,質問票調査の結果を用いて日本企業におけるバイヤー・サプライヤー間の協働の実態について検討する。 Key Words @組織間管理会計 Aバイヤー・サプライヤー間の協働 B開発段階 Cバイヤーのイニシアティブ D取引の安定性 E信頼 F加工組立型産業 G質問票調査 | |
| 財務的指標と非財務的指標の業種別分析 | 河合隆治 |
Summary バランス・スコアカードの議論では,各企業がどの業績指標を重視・測定しているかに関して業種特性の影響を受けることが指摘されている。しかし,この指摘に関するわが国の知見は現時点で十分に蓄積されていない。そこで本研究では,質問票調査結果を基礎として,業績指標の重要度や業績指標間の関連性を業種別に分析する。 Key Words @バランス・スコアカード A業績測定システム B財務的指標 C非財務的指標 D質問票調査 E業種別分析 F業績指標の重要度 G業績指標間の関連性 | |
| 顧客別収益性分析の進展 −期間的な問題を考慮した意思決定方法の検討− |
島田康人 |
Summary 顧客別収益性分析では管理会計とマーケティング理論の2つの研究領域において大きな差異がある。マーケティングでは長期的な視点で顧客別の収益性分析を行うことを重視しているが,管理会計では顧客別の精密なコスト算定およびコスト低減に重要性を置いている。本研究ではマーケティングとの差異を明確にし管理会計において顧客別収益性分析を発展させることを目的とする。 Key Words @顧客別収益性分析(Customer Profitability Analysis) A顧客生涯価値(Customer Life Value) Bマーケティング Cコスト低減 Dコスト階層 E顧客満足(Customer Satisfaction) FABC(Activity-Based Costing) GABM(Activity-Based Management) | |
| 日本企業におけるEVA®導入の効果とその考察 | 楠 由記子 |
Summary 近年,EVAが企業の業績評価尺度として注目され,日本においてもEVAを採用する企業が増加している。本研究では,EVA採用企業がどのような戦略をとる傾向があるのか,それがどのようなメカニズムでEVAに影響を与えるのかを解明するとともに,EVAのマネジメントに対する有用性を明らかにした。 Key Words @事業組織の再編成 A業績評価指標 B経済付加価値 Cバリュー・ドライバー DEVAのマネジメント効果 | |
| 銀行管理会計の歴史的考察 | 谷守正行 |
Summary いま,わが国の銀行は未曾有の危機に陥っている。銀行では昭和初期から原価計算などの研究が進められ,高度成長期には独立採算制度や伝統的原価計算などを相当に実践してきたはずであったが,バブル期に十分に機能できたとは言いがたい。わが国にはじめて銀行が設立されてから現在までの銀行管理会計の発展と課題を歴史的に考察していく。 Key Words @銀行管理会計 A銀行原価計算 B独立採算制度 C本支店勘定利息制度 Dスプレッド収益管理 EABC F信用コスト GVaR Hリスク調整後収益指標 JRAROC | |
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