日本原価計算研究学会第25回全国大会       1999年10月1日・山口大学

報告要旨

 

韓国企業の目標寿命原価モデリングに関する研究

李康来(圓光大学校)

経済学部C−202 16:30〜17:10

 

T.はじめに

 当報告は韓国企業の製品に目標寿命原価モチベーショナルが内在されているかどうかを検証し、目標寿命原価の決定方式をモデリングしたものである。さらに、韓国企業の製品にもモチベーショナルがあるかどうかというものを検証しようとした。

 また、原価発生が性能パラーメータに比較的に充実な製品を選定し、最適寿命原価の予測方程式をモデリングしてみた。この方式を実用することができれば生産者にはおおいに貢献することができるであろう。それに伴って原価を全寿命期間を通じて実現させることができるであろう。この技法は寿命週期がもっとみじかくなる現実において切実なものだと考えられる。

U.目標寿命原価のモチベーショナル

1.目標原価のモチベーショナル

 購買動機を誘発させる目標原価の算出の程が目標寿命原価の有用性に絶対的な評価値ということができる。使用者が寿命原価の情報価値を充分に認定すればするほど肯定的な側面で信頼性の上昇率に対する価格上昇率が原価低減率とほとんど等しく曲線‘Vn’に接近していく。

 

(図表−1)目標寿命原価と価格曲線  −図表1省略−

資料:牧戸孝郎、ライフ・サイクル・コステイクと原価管理、会計130(3)、1986.6 p64

 

 上記で証明されたものにより、寿命原価曲線が最小になる‘R0’点で利益曲線は最大に至るので生産者には目標寿命原価に対する充分なモチベーショナルを提供する。

 

2.韓国製品のモチベーショナル検証

1)標本抽出

 43個社から収集された寿命原価の集積資料をSPSSによって分析した。検証に使われた統計処理の方法は回帰分析、相関関係分析及び標準化変数分析などである。

2)結果解析

 検証のための寿命原価の集積資料は41個社から収集された8種類の製品群として一つの製品は5個のライフ・サイクルが比較的に同一の製品だけで構成した。

8個製品群の資料を、標準化変数(Xi−X/SD)を利用して相関関係分析をした。

そうなるとそれぞれ製品群ごとに三つの平均(X)と標準偏差(SD)が算出され、検証が可能となる。当検証の変数として取得原価をX1、使用原価X2、寿命原価X3と命名する。

標準化変数の資料を入力して分析した結果は(図表−2)に示してある。

 

(図表−2)Pearson相関分析結果  −図表2省略−

 

 上記の分析結果は取得原価と使用原価(0.728)、取得原価と寿命原価(0.960)、さらに使用原価と寿命原価がみんな‘+’相関関係を示す。

それは最初の期待に反して未だ韓国製品は目標寿命原価を適用するモチベーショナルがよわいからである。

 

V.目標寿命原価のモデリング

1.目標原価方程式の設計

 G社で生産した温水器の設計特性値と多年間にかかって現場で集積された寿命原価をもとに目標寿命原価モデリングの実際的事例を提示した。G社製品の設計諸元は略する。

(図表−3)は線形回帰分析を使用して作成した目標原価推定式である。

 

(図表−3)目標原価推定方程式  −図表3省略−

 

2.信頼性と目標寿命原価の導出

 寿命原価を最小化させる製品信頼性の最適解はX5(全重)、X6(満水全重)がY1、Y2、Y3の変数に90%以上の説明力を持っているからこれらの要因を根幹とし、その他の要因は設計特性値の平均値を代入したものである。その結果(図表−4)に集約されている。

 

(図表−4)最適寿命原価信頼性  −図表4省略−

 

 上記の分析表をみると、最終的に生産者は寿命原価がW489,959水準で温水器を製造するべきであるし、その時の最適信頼性はおおよそ X5、X6、X3、X4=73kg、376kg、1571mm、639mmになることを説明している。また消費者は温水器を購入してから7年の間使用した後、すてる時まで総合W646,138を負担するのが最も適当と言える。その時の最適信頼性は(X5,X6、X4=73kg、376kg、639mm)になることを証明している。

 

W.まとめ

 本報告を通じてモデリングの可能性を高めたのは一つの成果物だと思われる。これからも実用化のための進展があるだろうと期待する。しかし、韓国製品にモチベーショナルが充分に形成されていないのは意外な結果物として失望感を与えている。